ちなつログ

ゆれる、ちなつ

『シークレッツ』親友を”屋根裏部屋”に匿う。女の子達の友情。

また読みましたジャクリーン・ウィルソンさんの本。

www.chinatsulog.com

こんにちは、ちなつです!

今日読んだのは『シークレッツ』という本。

主人公は二人の女の子で、それぞれの日記を読むという形をとって物語が進んでいきます。

タイトルに書いた”屋根裏部屋””日記”というキーワードから”アンネの日記”を想像した方、するどいです。

主人公のひとり、インディアという女の子がアンネ・フランクが大好きなんです。

この本は、ピンチの親友を自分の家の屋根裏部屋に匿う、という場面が見せ所のお話です。


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もうちょっと、どんなお話?

この本の主人公はトレジャーという女の子と、インディアという女の子。

トレジャーは義理の父親から虐待を受けており、母親も旦那ばかりを優先する。

(そんなに大騒ぎしないで、お父さんが困ったことになるじゃない。という台詞をやたらと言うところが本当に腹が立つ、笑)

それをたまたま見つけたおばあちゃんが、トレジャーを救いだしてくれる場面から物語は始まります。

トレジャーはおばあちゃんのことが大好き。おばあちゃんが他の大人と違って”イケている” ”信用できる”からです。

そしておばあちゃんの家から学校に通いだすトレジャーですが、まったく友達ができません。

でも、お母さんの度重なる再婚などであちこちを転々としてきたトレジャーはそんなことは慣れっこでした。

トレジャーは、おばあちゃんの家に住めればそれで幸せ、だと思っています。

ちなみにおばあちゃんの家はスラム街にあり、お世辞にも言い環境とは言えません。それでも義理の父親がいる家は”悪夢”なのです。

お母さんのことは嫌いになったり、やっぱり好きだと思ったり、心が揺れ動きます。


一方のインディアは、お金持ちばかりが住む街に立派な家を建て、オペア(住み込みのお手伝いさん)までいるような正真正銘の”お嬢様”です。

太っていることを一流ファッションブランドを経営する母親には恥ずかしいと思われていて、嫌味を言われる毎日。優しかった唯一の味方の父親の様子も、なんだか最近変です。

インディアにもやっぱり親友がいません。クラスのお馬鹿な女の子たちにいじめられています。

アンネの日記のアンネ・フランクが大好きで、インディアの日記はいつも『親愛なるキティー』から始まります。


学校も経済状況もまったく違う二人ですが、ひょんなことから知り合い、あっという間に親友になります。

しかし、楽しい毎日が送れると思ったのもつかの間。世間体を気にしたトレジャーの両親がトレジャーを取り戻そうとおばあちゃんの家に押しかけ居座ります。

逃げ出したトレジャーはインディアの家へ行き、話を聞いたインディアはアンネの日記のようにトレジャーを自分の家の屋根裏部屋で匿うことを思いつきます。


感想

話を進めていく上で、少々強引な展開などもあるのですが、人間の心の動きかたや、大人のやり方、それを諦めている子ども、がとてもリアルでした。

ジャクリーン・ウィルソンさんの書く機能不全家庭の子どもの心情は、感情移入しすぎてしんどくなります(笑)

この本は二人の友情に焦点が当てられていたので、前に読んだダストビン・ベイビーほどの心情描写はありませんでしたが、さらりと書かれている

「トレジャーはおばあちゃんを信用できるというけど、信用できる大人なんていない」

とインディアが思うあたりや

匿ってもらってインディアには感謝しているけど、不満が出てくるトレジャー。それに気を悪くするインディア。

が書かれていて、現実っぽいなと感じました。

物語の終盤には、トレジャーが最高で最強だと思っているおばあちゃんも、完璧ではないことがだんだんとわかってきます。

さらに、インディアの”見せかけの素晴らしい家庭”にも変化が訪れます。


女の子達の純粋な友情と、大人達への少し冷めた目線、子どもならではの無鉄砲さ、思うようにならない現実、が本当にこんなことあるかもしれないと思わせてくれる作品です。

ラストも、問題が全部解決です!めでたし、めでたし~!という風には締めくくられておらず、トレジャーにもインディアにもこれから先くるかもしれない”問題”をなんとなく予感させて終わっています。


まとめ

トレジャーと母親の関係、インディアと母親の関係、がとてもリアルでしたね。

きっと母親達も娘に愛情がないわけじゃないんだけど、ちゃんと愛せない。娘もそれを読み取って反抗するから、余計可愛くないみたいな。

親が自分の気分で、子どもに優しくしたり、ひどい言葉を投げつけたりするから、子どもはますます振り回されて心を閉ざしてしまいます。

同じような苦しみを持つ親友に自分の家のおかしなところを話すときに、なんでもないことなんだけどね~、風に話しちゃうのにめちゃくちゃ共感しました(笑)

子どもは親(大人)に期待しすぎるわけじゃなく、親は子どもよりも大事なものがある。

このあたりが上手く、ひねくれすぎることなく描かれているお話でした。

気になる方はぜひ、読んでみてくださいな。


Amazon>>シークレッツ

おばあちゃんが

「お母さんにとっていいことかじゃなくて、あなた(トレジャー)にとっていいことかが大事なのよ」

というような台詞を何度か言うのですが、じーんときます。

おすすめできます!

それでは、またね~。

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